こんにちは。ボイトレ歴3年以上になるいっせいです
この記事では
- 歌うときに、なぜ「腹式呼吸」が必要なのかがわかります
- 歌に必要な、正しい腹式呼吸のやり方がわかります
- もちろん、ミックスボイスにもつながります
歌にはなぜ腹式呼吸が必要なのか
音大声楽科出身トレーナーのボイトレレッスンを受ける中で、腹式呼吸についてのレッスン回があり、これはとても興味深いものでした。
「歌には腹式呼吸が良いらしい」ということくらいは、歌に興味を持った人であれば、よく聞くことだと思いますが、その理由や効果まで理解できている人は少ないように感じます。
僕自身も、正しく腹式呼吸ができるまでは、とくに歌声は変わらないと感じていたし、その目的もよくわかりませんでしたが、レッスンを通してその重要性を理解することができました。
腹式呼吸は「正しい胸式呼吸」を行うため
音大声楽科出身トレーナーから、「なんのために腹式呼吸を行うのか」というレッスンがありました。
結論として、トレーナーから、腹式呼吸は「正しい胸式呼吸」を行うためだと学びました。
腹式呼吸では、息を吸うとお腹が膨らみます。これは横隔膜が下がり、お腹にある内臓が圧迫されるため、お腹や腰・背中が膨らむということが起こります。
発声レッスンなどで、しばしば「息を吸って、お腹に息を入れる」という表現を聞くことがありますが、お腹に息が入るわけではなく、実際には肺に息が入りますので、あくまで体感としての比喩表現であることは押さえておいてください
すなわち、腹式呼吸によって横隔膜がさがると、肺に入る空気の量が増え、胸からお腹までの上半身がパンパンに膨らんだ状態を作り出すことができます。
腹式呼吸で息を吸って、胸がパンパンに膨らんだ状態でいったん息を止めて、肋骨がすこし拡張している感覚を得ることがポイントです。背中や腰回りまで含めて、自分の身体が一回り大きくなったように感じると思います。
ここまでできたら、最も大事なのは次のステップとなります。
正しい腹式呼吸では、息を吐いても ”身体をしぼませない”
腹式呼吸について、レッスン前の僕も含めて多くの人が間違いやすい動作が、息を吐くときに身体を萎(しぼ)ませてしまうことです。
- 腹式呼吸で息を吸って、息を吐くとともに身体の張りがなくなって緩まり、身体が元通りに萎んでしまうのはNG
- これでは、歌のために腹式呼吸で息を吸っている意味がまったくありません
- 腹式呼吸で息を吸って、声を出したり息を吐いても、パンパンに膨らんだ身体を萎ませずにキープできている
- これが、歌うための正しい腹式呼吸です
はじめのうちは、なかなか難しいですが、歌うための筋肉を目覚めさせるためにこの”身体をしぼませない”腹式呼吸をマスターすることはとても大事だと感じています。
なぜなら、僕がこのレッスンで覚えたような身体の内側から外側に押し広げていく筋肉(歌うための筋肉)は、のちのミックスボイス習得にも大いに関係していると考えているからです。
イメージは上の図にあるとおり、腹式呼吸で正しく息を胸に入れて身体を膨らませた状態のまま、歌っても息を吐いても膨らんだ身体の状態をキープすることです。
当然、声を出したり、息を吐くことで胸(肺)のなかに溜めた息はどんどん出ていくので、肺は小さくしぼんでいきますが、レッスンでトレーナーから刺さった言葉として、「身体の内側にある肺はしぼんでいくが、息を入れて広げた身体の”枠”を広げたままキープさせる」イメージが、個人的にはしっくりきました。
身体を萎ませないための腹式呼吸のレッスンは、これまで数回やりましたが、上記のほかに、おそらくトレーナーが音大時代に教わったものと思われる、広げた身体をキープするためのイメージ表現として、以下のような言葉がありました。
腹式呼吸で広げた身体の枠を萎ませないためのイメージ例
- 身体の内部(お腹あたり)に沸騰した「やかん」があり、その蒸気がずっと出続けていて胸に充満していて身体が萎まなくなっているイメージ
- 身体の中に風車(かざぐるま)がずっと回り続けていて、空気の圧力で胸を萎ませようとしても萎ませられないイメージ
- シャボン玉がお腹の底からボコボコ無限に湧き出てきて、胸までその泡で身体の内部が埋め尽くされて身体が萎まなくなっているイメージ
それでは、個人的にかなり刺さったレッスン回の記事まとめです。
- 腹式呼吸は、正しい胸式呼吸をするため
- 腹式呼吸で息を吸って身体を膨らませる
- 息を吐いても、膨らませた身体は萎ませない
- 身体の内側から外側に開き続ける筋肉を目覚めさせることは、のちにミックスボイス習得につながる